みんなのさいごメシ vol.5


みんなのさいごメシ⑤


 

私のさいごメシは味付きコショーです。30年以上昔、小学校の家庭科の調理実習でのことです。各自、家から調味料を持ち寄りました。クラスメイトの一人が持ってきたのが味付きコショーです。私は普通のコショーしか知らなかったので、そんなものがこの世の中にあるのかと驚きました。物珍しさから一口舐めさせてもらったのですが、もう、美味いのなんの。ついつい止まらなく、何度も何度も「ごめん、もう一口だけ舐めさせて」と頼んで味を堪能しました。 その時は家に帰ったら母に頼んで買ってもらおうと思っていたのですが、実際に母に頼むことはありませんでした。理由はよく分かりません。親にお強請りをするのが苦手な子供だったからかもしれませんし、たんにバカな小学生だから家に帰る頃には忘れていただけかもしれません。コショーは好きですが、今はとくにまた舐めたいとは思っていません。でも人生の最期には、もう 一度舐めてみたいと思います(むらいかずゆき)


大仙市(秋田県)にある鳳仙花の五目そばと担々麺と杏仁豆腐です。 20年以上通っているお店ですが何回食べてもおいしいし、家族もみんな好きだからです(万恵)


京都南禅寺の湯豆腐が思い浮かびました。一度だけ食べて大変感動した料理のひとつです。死 を目前にした料理なので精進料理的なものを思いついたのだと思います(くみ)


さいごメシ......田舎を思い出す冷や汁。これしかありません。 わたしは長崎出身ですが、宮崎で有名な食べ物のようです。

輪切りのきゅうりと、にぼし、しょうが、ごま、しらすなどを入れて、味噌と水をいれて混ぜた冷たい汁を、白ご飯にぶっかけて食べます。氷を入れたりもしてた。近所に住む叔母は、「ジュースごはん」と呼んでいました。懐かしい味です。よく祖父に作ってもらったり、母はもちろん、お手伝いのおばちゃん(家政婦さんがいた)にも作ってもらいました。大きなすり鉢の中に冷や汁がなみなみと入っており、食卓の真ん中に置き、おたまで好きな量すくって、ご飯にかけてみんなで食べてました。はぁ~~島原半島が恋しか~~! ちなみに、旦那にさいごメシを聞いてみたら、 「一食100万円!」みたいな、普段食べれない豪華なものが食べたいそうです(角田麻衣子)


岐阜県の中津川という土地の名物で、栗とお砂糖のみを使った栗きんとんという和菓子があります。お正月に食べる黄色いドロっとした栗きんとんではなく、蒸した栗を裏ごし、お砂糖と合わせて茶巾絞りにしただけの素朴なお菓子で、口に入れるとふわっと広がる栗の香りが絶品なのです。秋から冬の終わりまでしか作られないので、これを食べられることが嬉しく9月を心待ちに夏を過ごします。最期の時をどの季節で迎えるかわかりませんが、秋から冬に死ねるのなら栗きんとんと濃い目に入れた高ーい緑茶を味わいながら、静かにその時を迎えたいです。愛知県の出身なのですが、初めて栗きんとんを食べたのは8歳くらいの事でしょうか。30年以上昔の話になります。お隣の県の名産と言えども、どこでも手に入るものではなく有名な百貨店に買いに行く必要がありました。百貨店など、そうそう連れて行って貰える訳ではありません。母の心と懐に余裕がある時や、大事なお客さんがくる時にだけ食べられる、特別な特別なものだったのです。今では、季節になれば東京でも手に入るようになりましたが、やはり故郷を思い出す特別な お菓子です(すぎたこ)


私のさいごメシは、チリトマトヌードルにお湯を入れ、3分後タバスコを10振りし、かき混ぜて、麺を全部捨て、もち麦と炊いた白米を入れたリゾットです(ながしまみなこ)


私のさいごメシはアマゾンの魚のソテーです。なぜかと言うと、新婚旅行先のボリビア最終日のディナーでメインを選ぶ時、日本では無いようなメニューばかりで目移りする中アマゾン川の魚と牛500gステーキで最後まで悩んだ結果、私は今まで食べたことの無い500gと言うワンパクな響きに負けてステーキを選び、妻はアマゾン川の魚を選びました。配膳されるとステーキは海外に良くある赤身をカチカチのウェルダンに焼いた物でまるで顎疲れ機でした。対する魚は大きな皿いっぱいの輪切りの物でした。妻に少し貰い、食べた味も格別であり、記念のディナーを失敗したのが凄く残念でした。なのでもし叶うならばアマゾン川の魚のソテーがさいごメシとして食べ たいです。明日が最期で、ボリビアに行くのはどこでもドアでも無いと難しいので、現実には冷や奴に焼肉のタレでもかけて食べると思いますが(sowa-h)


さいごメシですが、私は旦那さんが作ったご飯です。凝った料理じゃなくてもいいのです。寝たきりだった私の祖母は、祖父の作ったイチゴ牛乳を飲んでから「はぁ~」とため息をついて亡くなったそうです。そのイチゴ牛乳も、イチゴをスプーンで潰して牛乳をかけただけのもの。話すことも出来なかった祖母が最後にため息をつくほど美味しかったんだろうなぁ~と思い、私も最後は旦那さんの作ったものが食べたいです(一條あき)


お茶漬けです。白ご飯に熱い緑茶をかけて、梅干し(ばあちゃんお手製のカタい塩漬け)、たくあん、壬生菜の浅漬け、赤カブのお漬物、フキの炊いたん(近畿では炊き物は「~の炊いたん」 と言います)など日頃の名脇役達を主役に、花束のようにいただきたいです。なぜかというと、 日頃の名脇役達を主役に...ということで、お茶漬けがご飯人生のエンドロールにふさわしいと思うのです。あと、お茶漬けは主食じゃない立ち位置で、結婚式やお葬式に列席して帰ってきて小腹に流し込む、シメの一杯という感じです。緊張した場から帰って、慣れたご飯のお供達にホッと します。深く考えたことはないのですが、お茶をかけると具もご飯も同じお風呂(?)に入って るように見えて愛らしいさが増す気がします(斎藤たかぎ朋子)


私のさいごメシは筍の煮物です。この年末年始に父が入院したため、1ヶ月ほど母と二人暮らし をしていました。結構喧嘩したり反省したりの繰り返しで精神的にお互い疲れてしまったのですが、母の作った筍の煮物が昔食べていた味で食べると嫌なことを水に流せるというか。しかも旬の筍って食べていると身体中の水分が浄化されるような気がするのでいくらでも食べたい。実家では近所からたくさんもらえるので食べ放題。すごく幸せでした(さと )